はじめに
このキットの読み方/なぜ Claude Code なのか
このキットの読み方
このキットは、Part 0〜4 の5パートに分かれています。プログラミング経験がまったくない方でも、Claude Code の基本的な考え方と安全な使い始め方をつかめるように構成しました。
Part 1|準備編
Antigravity とターミナルの最低限の知識。ここが一番"難しく見える"ですが、コマンドは暗記よりも意味を知ることが大切です。
Part 2|Claude Code 入門
Claude Code の基本操作、知っておくと役立つコマンド、便利なモード。インストール済みの状態から実務で使う準備を整えます。
Part 3|ベストプラクティス
Anthropic 公式が推奨する "うまく使うコツ"。指示の書き方、コンテキスト管理、事故の防ぎ方など。
Part 4|ELITE実践へ
ここからELITEプランの実践に進むための見方と、さらに学ぶための公式リンク集。
完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは「ターミナルを開ける」「Claude Code に話しかけられる」という状態を目標にしてください。残りはELITEプランの実践を進めながら少しずつ理解できます。
このページは「読み物としてのスターターキット」です。Skills やサブエージェントのファイル一式は別の配布物として扱います。このページだけで自動的に拡張機能が入るわけではないので、役割を分けて読み進めてください。
このドキュメント内の表記ルール
| 表記 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
コード表記 | ターミナルに入力するコマンドやファイル名 | claude doctor |
| キー | キーボードのキー | Shift + Tab |
| 黒い画面 | ターミナル(後述)の実行結果のスクリーン | ↓下のような枠 |
$ claude --version
2.1.x (Claude Code)
なぜ Claude Code なのか
世の中には ChatGPT、Gemini、Copilot など似た AI サービスがたくさんあります。その中で Claude Code を使う理由は、大きく3つです。
① ファイルを直接触れる
ブラウザの ChatGPT と違い、Claude Code はあなたのパソコンの中のファイルを読み書きできます。「この議事録を要約して」「このフォルダの中身を整理して」がそのまま通ります。
② コマンドを実行できる
「このコマンドを実行して」と頼めば、Claude が自分でターミナルに命令を打ってくれます。あなたはコマンドを覚える必要が(基本的には)ありません。
③ "長い作業"を任せられる
1つの指示で、ファイルを読む→判断する→書き換える→結果を確認するまで一気に進められます。回答をもらうだけでなく、実際のファイル作業まで任せられるのが大きな違いです。
ChatGPT は、命令に対して回答のみが返ってきます。その回答をドキュメントに貼り付けたり、メッセージとして送信したりする作業は人間が行います。Claude Code / Cursor は、命令すると回答を出すだけではなく、ドキュメントへの転記やメッセージの送信など、許可された範囲で実作業まで実際に行います。
つまり Claude Code は、「自分のパソコン上で作業できるAIアシスタント」と思ってください。Web 版やデスクトップアプリでも使えますが、ELITE で扱う実践レベルの作業ではターミナルから呼び出す使い方が中心になります。だから最初に、Antigravity とターミナルに慣れるところから始めます。
準備編|Antigravity・ターミナル・CLI
Claude Code を使うために、まず知っておく最低限の前提知識
ターミナルの基礎 CLI
Google が提供している、AI と一緒にファイル編集や確認作業を進めるための作業アプリです。画面の中にファイル一覧、編集画面、ターミナルをまとめて持てるため、Claude Code に「このフォルダを読んで」「この資料を直して」と頼む流れを作りやすくなります。
ターミナルとは、キーボードで短い命令(コマンド)を打ってパソコンを操作する場所の総称です。Mac では「ターミナル.app」、Windows では「Windows Terminal」「PowerShell」「CMD」と表示されることがあります。ELITE では、Antigravity の内蔵ターミナルから Claude Code を呼び出す形を標準にします。
GUI(Graphical User Interface)= アイコンをクリックして操作する普段のパソコンの使い方。
CLI(Command Line Interface)= ターミナルに文字で命令を出す操作方法。Claude Code は CLI で動きます。
ターミナルの起動方法
一番早いのは Spotlight 検索。
- ⌘ + Space を押す
- 出てきた検索窓に
terminalと入力 - Enter を押すとターミナル.app が開く
Finder から辿る場合は「アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル.app」にあります(パス:/Applications/Utilities/Terminal.app)。終了したいときは exit と打つか ⌘ + Q。
Windows Terminal が入っていればそれを使います。Windows 11 では標準の入口になっていることが多く、Windows 10 で見つからない場合も無料でインストールできます。
- Win キーを押す
terminalと入力- Enter を押す
入っていない場合は Microsoft Store から無料で入れられます。中で動く仕組みは PowerShell を使うのが無難です(PowerShell は、ターミナルに入力した命令を受け取って実行する標準的な仕組みです。CMD でも Claude Code は動きますが、PowerShell 前提の手順が多いため)。
Antigravity から開く場合も、呼び方は「ターミナル」で問題ありません。このページでは、OS標準のターミナルと区別したい場面だけ Antigravity の内蔵ターミナル と書きます。
最初に知っておくと役立つ10個のコマンド
Claude Code は必要なコマンドを自律的に実行してくれるため、人間がこれらを暗記しなくても問題ありません。ただし、画面に何が起きているかを理解するために、意味だけ知っておくと安心です。
| コマンド | 何をする? | 普段の操作に例えると |
|---|---|---|
pwd | 今いるフォルダの場所を表示 | Finder のウィンドウタイトルを見る |
ls | 今いるフォルダの中身一覧 | フォルダを開いて中を見る |
cd フォルダ名 | フォルダに入る(移動) | フォルダをダブルクリック |
cd .. | 1つ上のフォルダに戻る | Finder の「戻る」 |
mkdir フォルダ名 | 新しいフォルダを作る | 「新規フォルダ」 |
cp A B | ファイル A を B にコピー | Option + ドラッグ |
mv A B | ファイル A を B に移動/名前変更 | ドラッグ移動/リネーム |
rm ファイル名 | ファイルを削除(ゴミ箱に入らず即消去) | ⚠️ 復元できないので注意 |
cat ファイル名 | ファイルの中身を画面に出す | テキストファイルをダブルクリック |
clear | ターミナル画面をきれいにする | ウィンドウをリセット |
2つの時短テクニック
- Tab キーでファイル名の自動補完(入力ミスが激減します)
- ↑ キーで直前のコマンドを呼び戻し(同じコマンドを打ち直す手間が省けます)
- Ctrl + L でも画面クリア(
clearに近い動作。履歴は残ります)
パス(ファイルの場所)の書き方
パスとは、ファイルやフォルダがどこにあるかを文字で表した住所のようなものです。
| 記号 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
~ | 自分のホームフォルダ(/Users/あなたの名前)の省略 | cd ~/Desktop |
. | 今いるフォルダ自身 | open .(Finder で開く) |
.. | 1つ上のフォルダ | cd .. |
/ | 区切り/一番上(ルート) | /Applications/ |
スペースを含む名前は要注意。 フォルダ名に半角スペースが入っていると、そこで区切りと勘違いされます。cd "My Project" のようにクォートで囲むのが安全です。
Antigravity と環境準備 tooling
ELITE では、Claude Code を単体のチャットアプリとしてではなく、Antigravity の内蔵ターミナルから呼び出して使う前提で進めます。ここでは、なぜ Antigravity を使うのか、どこまで準備すればよいのかを整理します。
Antigravity をまだ入れていない場合
-
公式ダウンロードページを開く
antigravity.google/download にアクセスし、自分の OS(Mac / Windows / Linux)に合うインストーラを選びます。
-
インストーラの案内に沿って入れる
Mac はダウンロードしたアプリを「アプリケーション」フォルダへ移動、Windows はインストーラを起動して画面の案内に沿って進めます。
-
起動して作業フォルダを開く
初回起動後、Claude Code に読ませたい資料やファイルを置いたフォルダを Antigravity で開きます。
ELITEでの基本形
-
Antigravity で作業フォルダを開く
資料、設定ファイル、作業メモを置くフォルダを Antigravity で開きます。Claude Code に読ませたいファイルが同じ作業フォルダに入っている状態を作るのが第一歩です。
-
Antigravity の内蔵ターミナルを開く
画面内のターミナルから
pwdを実行し、今どのフォルダにいるかを確認します。Claude Code はこの場所を基準にファイルを読み書きします。 -
claudeコマンドで Claude Code を起動するターミナルで
claudeと入力すると Claude Code が起動します。以降は「このフォルダを読んで」「このHTMLを修正して」のように、自然文で作業を依頼できます。
デスクトップアプリや Web 版だけでも Claude Code を体験できますが、ELITE の実践課題ではファイル操作や拡張設定を扱うため、Antigravity の内蔵ターミナルから CLI を起動する形に慣れておくことを推奨します。
Node.js と npm(必要になった時だけ)
Claude Code をすでに使えている方は、ここを飛ばして問題ありません。Node.js や npm は、あとで別のツールを追加する時に出てくることがある関連知識です。今すぐ入れ直す必要はありません。
Node.js = JavaScript(Web サイトで動く言語)をパソコン上で動かす仕組み。
npm = Node.js の「アプリストア」のような存在。追加ツールを入れる時に使うことがあります。
あとで Node.js が必要になった場合は、以下のような方法があります。Claude Code 本体の利用だけなら必須ではありません。
- 公式インストーラ:nodejs.org から LTS 版(安定版)の
.pkgをダウンロードしてダブルクリック - Homebrew:
brew install node - 切替ツール(nvm / fnm):複数の Node.js を使い分けたい上級者向け
Claude Code の使い分け choice
Claude Code には複数の入口があります。どれも間違いではありませんが、目的によって向き不向きがあります。ELITE では、資料修正やファイル整理など実務に近い作業を扱うため、CLI を標準として説明します。
3つの入口
Web 版
ブラウザで相談する入口。調べもの、壁打ち、文章作成には入りやすい一方、手元のフォルダを直接読んで作業する用途には向きません。
デスクトップアプリ
最初に触るにはわかりやすい入口。Claude Code の雰囲気をつかむには便利ですが、実務ファイルをまとめて扱うには CLI のほうが適しています。
CLI
ターミナルから起動する入口。ファイルを読み、修正し、コマンドを実行する一連の作業に向いています。ELITE の標準はこの形です。
初心者の方はデスクトップアプリから触っても問題ありません。ただし、ELITE で扱う実践課題やファイル操作の設定では、CLI でファイルを扱う力が必要になります。このページでは最初から CLI 前提で読み進めます。
スターターキットと配布物の違い assets
このページは、Claude Code を使い始めるための読み物・手順書です。別途配布される Skills やサブエージェントのファイル一式とは役割が違います。混同しないように、先に整理しておきます。
このスターターキット
Claude Code の考え方、起動方法、基本操作、事故防止を読むためのHTMLページです。ここを読んでも、拡張ファイルが自動でパソコンに入るわけではありません。
Skills 配布物
特定の作業手順を Claude Code に覚えさせるためのファイル群です。配置先は通常 .claude/skills/ 配下になります。
サブエージェント配布物
調査担当、レビュー担当など、役割を分けた Claude を追加するためのファイル群です。配置先は通常 .claude/agents/ 配下になります。
ファイルをダウンロードしただけでは動かないものがあります。Skills やサブエージェントは、正しいフォルダに置いて初めて Claude Code から使えるようになります。配布物を受け取ったら、まず「これは読む資料か、配置するファイルか」を確認してください。
Claude Code 入門
インストール済みの状態から、基本操作と安全な使い方を確認します。
Claude Code とは overview
Claude Code は、Anthropic 社が提供する ファイル作業まで任せられるAIアシスタントです。普通の ChatGPT と違って、あなたのパソコンの中のファイルを直接読み書きしたり、ターミナルのコマンドを自分で実行したりできます。
ChatGPT と Claude Code / Cursor の違い
| ChatGPT | Claude Code / Cursor | |
|---|---|---|
| 命令した後 | 回答のみが返ってくる | 回答に加えて、許可された範囲で実作業まで進める |
| 人間が行うこと | 回答をドキュメントに貼り付けたり、メッセージとして送信したりする | 実行内容を確認し、必要に応じて承認・修正指示を出す |
| 任せられること | 会話、相談、文章案の作成 | ドキュメントへの転記、ファイル修正、メッセージ送信などの実作業 |
どこで使うか
- Web 版 — ブラウザから相談する入口
- デスクトップアプリ(Mac / Windows) — 独立したアプリとして起動する入口
- CLI(macOS / Linux / Windows) — ターミナルから起動し、ファイル操作まで任せる入口
- ELITE 推奨 — Antigravity の内蔵ターミナルから CLI を起動する形
このページでは、ELITE で案内された Claude アカウントで Claude Code を使える状態を前提にしています。公式ドキュメントでは、Claude Code の利用経路として Claude のサブスクリプション(Pro / Max / Team / Enterprise など)、Claude Console、クラウドサービス経由の接続などが案内されています。契約形態や利用条件は変わる可能性があるため、最新情報は Claude Code の認証ガイド、公式概要、Claude 公式の料金ページで確認してください。
追加利用の課金に注意。Pro / Max などの有料プランでも、利用上限に達したあとに Extra usage を有効化して続行すると、使った分だけ追加料金が発生します。追加料金は Claude の通常会話と Claude Code のターミナル利用の両方に適用されます。
最初に知っておくと役立つ10コマンド basics
Claude Code の中では、普通の会話とスラッシュコマンド(/ で始まる特別な命令)を使い分けます。Claude Code が自律的に動くため、これらを暗記しなくても問題ありません。まずは「困った時にこういう命令がある」と知っておく程度で十分です。
| コマンド | 役割 | いつ使う? |
|---|---|---|
/help | 使えるコマンドの一覧を表示 | 迷ったら最初に |
/clear | 会話履歴をリセットして新しいセッション開始 | 話題が大きく変わる時 |
/compact | これまでの会話を圧縮して節約 | 長くなってきた時 |
/model | 使うモデルを切り替え(Opus / Sonnet など) | 基本は Sonnet、難所だけ Opus |
/resume | 前回のセッションを再開 | 中断していた作業の続き |
/memory | CLAUDE.md(プロジェクト指示書)を開いて編集 | ルールを追記したい時 |
/rewind | 会話やコードを過去の状態に戻す | やり直したい時(後述) |
/init | プロジェクトに最初の CLAUDE.md を作る | 新しいプロジェクト開始時 |
/doctor | 環境の健康診断 | 何かおかしい時 |
/exit | Claude Code を終了 | 終わる時(または Ctrl+D) |
会話の中で使える特別な記号
@ファイル名
ファイルを会話に含める。例:@README.md を要約して。フォルダ全体を指定することも可能。
!コマンド
先頭に ! を付けると、そのままターミナルコマンドとして実行。例:! ls -la。結果は会話に残ります。
画像をドラッグ&ドロップ
スクリーンショットや図をターミナルに貼り付けると、画像として認識して解析します。
便利なキーボードショートカット
| キー | 動作 |
|---|---|
| Shift + Tab | 権限モードを切替。通常は 許可を確認 → 編集を承認 → プランモード の順で切り替わり、利用条件によって表示されるモードが増えます |
| Ctrl + C | 実行中の処理を中断(Claudeが長考している/コマンドを実行している途中を止めたい時) |
| Esc 2回 | rewind(巻き戻し)メニューを開く。会話/コード/両方を過去の状態に戻せる |
| ↑ / ↓ | 直前に送ったメッセージを呼び戻し |
| Ctrl + D | Claude Code を終了 |
rewind(巻き戻し)機能は初心者の方の強い味方です。「あ、Claude が意図と違う変更をした」と思ったら、Esc を2回押してメニューから「この変更を取り消す」を選ぶだけ。安心して試行錯誤できます。なお、実行中の処理を今すぐ止めたい場合は Ctrl+C を使ってください。
Plan / Auto / 権限モード permission
Claude Code は、「どこまで自動で実行していいか」を権限モード(Permission Mode)で制御します。すべてを覚える必要はありません。まずは主要な権限モードを確認し、作業内容に合わせて切り替える感覚をつかみましょう。
主要な5つの権限モード
| 日本語UI | 英語表記 | 動き | こんな時 |
|---|---|---|---|
| 許可を確認 | default / Ask before edits | ファイル編集やコマンド実行の前に確認される | 最初に使う時、重要なファイルを扱う時 |
| 編集を承認 | acceptEdits / Edit automatically | ファイル編集とよく使うファイル操作を自動で進める。それ以外は確認される | 修正量が多く、あとで差分を確認できる時 |
| プランモード | plan / Plan mode | 読み取り中心で計画を立てる。いきなり書き換えない | 大きな変更の前に下見したい時 |
| 自動モード | auto / Auto mode | 安全チェックを挟みながら、確認の回数を減らして長めの作業を進める | 方向性を信頼できる長い作業 |
| 許可をバイパス | bypassPermissions / Bypass permissions | 多くの確認をスキップする。安全確認も弱くなる | 隔離された検証環境だけ |
Plan Mode(計画モード)の使い方
Claude Code の中で Shift + Tab を押すと、モードが切り替わります。⏸ plan mode on と表示されたら Plan Mode です。
Plan Mode の威力:この状態で「このファイルを改善して」と頼むと、Claude は読み取りだけを使って計画を立て、「こう変更します」と提案します。あなたが確認して OK なら Plan を解除して実行。大きな変更を"安全に下見"できる機能です。
Auto Mode の注意点
Auto Mode は利用できる条件がかなり限定されています。公式ドキュメントでは、Pro プランでは利用できず、Max / Team / Enterprise / Anthropic API のいずれかで、対応モデルなどの条件も満たす必要があると説明されています。Team / Enterprise では管理者による有効化が必要です。また、API 経由で使う場合は Anthropic API のみが対象で、Bedrock / Vertex AI / Foundry などのクラウドサービス経由では使えません。API は、開発者や企業がシステムから Claude を直接使うための仕組みです。また、安全判定は自動で行われるため、「危険度ギリギリの操作」を許可する場合は事前に Plan Mode で確認することをおすすめします。
Opus と追加料金の注意
Opus は高性能ですが、使用量を大きく消費します。Claude Code では、普段の実装・修正は Sonnet、難しい設計判断や詰まったデバッグだけ Opus に切り替えるのが現実的です。
Pro / Max などの有料プランで Extra usage を有効化している場合、プラン内の利用上限に達した後も続行できますが、その分は使った量に応じて追加料金が発生します。Claude 公式ヘルプでは、この追加利用は Claude の通常会話と Claude Code のターミナル利用の両方に適用されると説明されています。Opus を使うと利用枠の消費が速くなりやすく、上限に達した後も続ける場合は追加料金につながる可能性があるため、必要な場面だけ使いましょう。
用語補足:Extra usage は、プランに含まれる利用枠を超えたあとも作業を続けるための追加利用設定です。オンにすると便利ですが、あらかじめ上限金額を設定しておくと安心です。
CLAUDE.md とメモリ memory
CLAUDE.md は、「このプロジェクトではこう振る舞ってね」という指示書をまとめたファイルです。Claude Code は起動時に必ずこれを読むので、毎回繰り返さなくていい指示をここに書いておきます。
CLAUDE.md に書くべきこと
- プロジェクトの概要(何をするプロジェクトか、主な関係者)
- ファイルの配置ルール(議事録はここ、提案書はここ)
- 守ってほしい約束(このファイルには勝手に手を入れない等)
- 用語集(社内独自の略語、プロジェクト固有の呼び方)
- 望ましいコミュニケーションスタイル(丁寧に/手短に/絵文字なし等)
CLAUDE.md を置ける場所
| 種類 | 場所 | 影響範囲 |
|---|---|---|
| グローバル(ユーザー) | ~/.claude/CLAUDE.md | あなたが開くすべてのプロジェクト |
| プロジェクト | プロジェクト直下の CLAUDE.md または .claude/CLAUDE.md | そのプロジェクトだけ(チームで共有) |
| ローカル(個人用) | プロジェクト直下の CLAUDE.local.md | そのプロジェクトだけ(自分の環境専用) |
迷ったらまず /init を実行しましょう。プロジェクト直下に CLAUDE.md のたたき台が自動生成されます。
簡単な書き方の例
# プロジェクト名:週次セミナー運営
## コミュニケーション
- 日本語で回答する
- 人名には「さん」をつける(大城のみ敬称なし)
- 日付は "2026-04-24" のように YYYY-MM-DD で書く
## ファイル配置
- 議事録は docs/meetings/ に置く
- 資料ドラフトは drafts/ に置く
## 禁止事項
- ops/CURRENT_*.md は自動更新スキル経由でのみ編集
CLAUDE.md の作り方:Claude Code を起動して /init と打つと、今のプロジェクトを見ながらたたき台を自動生成してくれます。そこから追記していくのが一番ラクです。
Auto Memory(自動メモリ)
Claude Code にはもうひとつ、Auto Memory という機能があります。これは会話の中で得た学びや文脈をClaude が自動で記録しておき、次回起動時に思い出してくれる仕組みです。
| CLAUDE.md | Auto Memory | |
|---|---|---|
| 書き方 | あなたが手書き | Claude が自動保存 |
| 用途 | 絶対守ってほしい固いルール | 「こういう傾向があるな」というゆるい学び |
| 共有 | チームで共有可 | 個人のマシン内のみ |
使い分けは簡単です。「明文化したいルール」は CLAUDE.md に書く、「Claude が自然に覚えてくれれば十分なこと」は放っておく(= Auto Memory に任せる)。
Skills・サブエージェント・MCP extend
Claude Code は「デフォルト機能」だけでも十分強力ですが、拡張の仕組みを覚えると一気に自分仕様の道具になります。最初は名前だけ知っておけば OK です。
① Skills(スキル)
「よくやる手順」を1つのパッケージにしたもの。.claude/skills/スキル名/SKILL.md にやり方を書いておくと、「〇〇して」と話しかけた時に Claude が自動でそのスキルを使ってくれます。議事録作成、レポート生成、特定の定型処理などに便利。
② サブエージェント
特定のタスクに特化した"別の Claude"を用意する仕組み。.claude/agents/ に定義を置きます。リサーチ専門・ファクトチェック専門・レビュー専門など、役割を分けた Claude を並列で走らせられます。本ドキュメントの制作にも使われています。
③ MCP(Model Context Protocol)
Claude Code を外部サービスに接続する共通規格。MCP サーバーを追加すると、Slack・Google Drive・Notion などとつながり、「Slack の #general を見て」「Drive のフォルダをチェック」といった指示が通るようになります。
それぞれの追加方法(概要だけ)
# Skills:フォルダを作るだけ
mkdir -p .claude/skills/my-skill
vim .claude/skills/my-skill/SKILL.md # やり方を書く
# サブエージェント:定義ファイルを置く
mkdir -p .claude/agents
vim .claude/agents/researcher.md
# MCP サーバー:コマンド一発で追加
claude mcp add <サーバー名> <コマンド>
これらは最初から全部使おうとせず、「Claude Code に慣れて、不便を感じた時に1つずつ導入する」のがおすすめです。SHIFT AI では運用中のスキル・エージェントのひな形も順次配布していきます。
ベストプラクティス
Anthropic 公式が推奨する"うまく使うコツ"
基本ワークフロー:Explore → Plan → Code → Review workflow
Anthropic 公式のベストプラクティスをベースに、ELITE の導入用としてこの4ステップに整理します。大きな作業ほど、この順番を守ると失敗が激減します。
① Explore(探索)
最初にファイルや状況をよく読む時間を確保する。この段階ではまだ書き換えない。「どうなっているか」を Claude に把握させることが目的。
② Plan(計画)
Plan Mode(Shift+Tab)を使って変更案を文書化させる。ここであなたが承認してから先へ進む。
③ Code(実装)
Plan が固まってから実際にファイル編集やコマンド実行。Explore と Plan で合意した範囲にとどまる。
④ Review(確認)
作業が一段落したら、変更点と動作を確認します。何が変わったかを説明できる状態にしてから次へ進むことで、やり直しや共有がしやすくなります。
なぜこの順序が大事か
- Explore をスキップすると、Claude は現状を誤解したまま書き換えを始める
- Plan をスキップすると、あなたの想像と違う方向に大きく進んでしまう
- Review をスキップすると、意図しない変更に気づかないまま進んでしまう
言葉で指示するときは、この流れを明示的に口にするのが効果的です。例:「まず docs/ 以下を読み、何があるか教えてください(Explore)。次に、重複を整理する計画を出してください(Plan)。OK を出したら実行してください(Code)。」
よい指示の書き方 prompting
Claude Code は 「具体的で、文脈のある、段階的な指示」に最もよく応えます。ChatGPT での会話と基本は同じですが、"手を動かす"エージェントなので、指示の粒度がより重要になります。
3つの原則
① 明確に(Be specific)
❌ 曖昧すぎる
「このプロジェクトを整理して」
✅ 具体的
「docs/meetings/ の中に同じ議題が複数ファイルに分散しているので、日付順にまとめて1ファイルにしてほしい」
② 背景を伝える(Give context)
❌ 背景不足
「メール文を作って」
✅ 背景あり
「木内さんとの定例で使うアジェンダのレビュー依頼メール。送信先は木内さん、所要時間は5分読める長さ、前回の指摘事項は ops/last_feedback.md に入っている」
③ 段階を分ける(Break it down)
❌ 一気すぎる
「LP を作って公開して分析レポートまで書いて」
✅ 分割
「まず LP の構成案だけ出して。OK 出したら HTML を書く。公開は後で。」
深く考えてほしい時:ultrathink キーワード
難しい問題で Claude にじっくり考えてほしい時は、指示の中に ultrathink という言葉を入れると、そのターンでより深く検討する設定になります。対応モデルや細かな仕様は変わる可能性があるため、必要になった時に公式ドキュメントで確認してください。
このプロジェクトの構造が複雑なので、ultrathink で全体を
精査してから改善案をまとめてください。
よくある誤解:"think" や "think hard" と書けば自動で思考時間が増える、と紹介されているブログがありますが、公式ドキュメントではそのように保証されていません。確実に深く考えさせたい場合は ultrathink を使うか、/model コマンドでモデル側の設定を確認するのが安全です。
よく使う指示テンプレ5選
| シーン | そのまま使えるテンプレ |
|---|---|
| 初見のフォルダを理解したい | 「このフォルダの中身を読んで、3行で要約してください」 |
| 大きな変更の前に | 「Plan Mode で、何をどう変える予定か先に教えてください」 |
| 議事録の整理 | 「@meeting.md を読んで、決定事項・宿題・次回までの TODO に分けて」 |
| 間違いに気づいた | 「今の変更を取り消して、元の状態に戻してほしい(Esc 2回でも可)」 |
| 終わりに | 「ここまでの変更点を3行でまとめて、確認すべき箇所も教えてください」 |
コンテキスト管理 context
コンテキストとは、Claude が判断に使う「頭の中に入っている情報」のことです。限られた容量の中で、何を入れるか・何を入れないかがパフォーマンスを大きく左右します。
コンテキストを"整える"3つの習慣
-
必要なファイルだけ見せる
プロジェクト全体を読ませるより、
@で必要なファイルだけ指定するほうが速く正確。Claude Code は無指定だと関連ファイルを自動探索しますが、ピンポイントで渡したほうが思考が鋭くなる傾向があります。 -
長くなったら
/compactで圧縮長時間の会話は、古いやりとりが情報を圧迫します。
/compactを実行すると、Claude が会話を要約して圧縮してくれます。話題が大きく切り替わるなら/clearで完全に新セッションに。 -
大事な前提は CLAUDE.md に昇格
同じ説明を毎回しているなら、その内容を CLAUDE.md に追記しましょう。以降のセッションで自動的に読まれるようになります。
"大きいファイル"を読むときのコツ
Claude Code は一度に全部読めないほど大きいファイルには、先頭から順に分割して読みます。「全部読んで」と明示することで、重要な終盤の情報を見落としません。
this-file.md は長いので、分割してでも必ず全文読んでから要約してください。
キーワード検索で済ませないでください。
議事録や提案書のような長文は、要約や冒頭だけを読んで判断すると終盤の重要決定を見落とすことが多いです。特に会議メモは「序盤=ブレスト/終盤=合意事項」というパターンがよくあるので、通読を指示するのが安全です。
セキュリティと事故防止 safety
Claude Code は強力なぶん、"やってはいけないことをやってしまう"リスクもゼロではありません。非エンジニアの方が最初に身につけるべき安全習慣をまとめました。
絶対に守りたい5つのルール
- 機密情報は Claude Code に見せない:API キー・パスワード・顧客情報など。会話履歴に残ります。
- 大きな変更は Plan Mode で下見:特に「全部消して作り直して」系の指示の前に。
- 変更前に元ファイルを把握する:どのファイルを触るか、何を変えるかを先に確認する。
- 公開場所に機密を置かない:
.envや認証ファイルを資料フォルダや公開用フォルダに混ぜない。 - 不明な指示の自動実行は許可しない:特に削除・上書き・外部公開につながる操作が出てきたら一度手を止めて確認。
APIキーは、外部サービスを使うためのパスワードのような文字列です。環境変数は、チャットに貼らずにパソコン側へ一時的に渡す設定値です。.envは、環境変数をファイルにまとめて置く時によく使われるファイル名です。いずれも外部に出すと危険なので、資料や公開フォルダには入れないでください。
よくある事故パターン
| 事故 | 防ぎ方 |
|---|---|
| API キーを誤って資料フォルダや公開用フォルダに入れた | キーは環境変数(PC側に一時的に渡す設定値)や認証ファイルで管理し、チャットや配布物に貼らない |
| 意図しないファイルが上書きされた | Esc×2 → rewind で復元、またはバックアップから戻す |
| 大量削除が一気に走った | 初心者の方は auto / bypassPermissions を使わない |
| 会話が長くなって判断がぶれてきた | /compact で整理、または /clear で新セッション |
| 「これで合ってる?」と不安になる | Plan Mode で下見。または「変更前に差分だけ見せて」と指示 |
機密情報の扱いで一番事故りやすいのは「チャットに貼る」こと。Claude Code の会話履歴はローカルに保存されるため、API キーを貼ると履歴ファイルに残ります。どうしても使う場合は、ターミナルで直接ファイルに書き込む・環境変数(PC側に一時的に渡す設定値)で渡すなどの手段を取り、会話に貼らない運用にしましょう。
"やり直したい"時の3つの手段
軽い間違い
Esc を押して処理を止め、「今のは取り消して、こう直して」と会話で頼む。
ファイル変更を戻したい
Esc を2回 → rewind メニューで「コード」「会話」「両方」を選んで復元。
最初からやり直したい
/clear で新セッションに切り替え。ファイル側も戻したい場合は、まず変更点を確認し、必要なバックアップや復元手段があるかを見てから戻します。
ここから実践へ進む practice
このページの目的は、Claude Code のすべてを覚えることではありません。ELITEプランの実践課題に入った時に、「今どの画面で、何を任せようとしているのか」が分かる土台を作ることです。
まず持っておきたい感覚
- Antigravity は、作業フォルダ・編集画面・ターミナルをまとめて扱うための場所だと分かる
- ターミナルは、文字でパソコンに命令を出す場所だと分かる
- Claude Code は、回答だけでなくファイル修正や転記まで進められると分かる
- 大きな変更の前は、プランモードで下見できると分かる
- コマンドは暗記ではなく、Claude Code の動きを理解するための補助知識だと分かる
ELITEプランで伸ばしていく使い方
-
小さな資料修正から任せる
失っても困らないメモや下書きを使って、「誤字を直して、変更点を教えて」と頼むところから始めます。
-
議事録やメモを整理する
Meeting メモを Claude Code に渡して、「決定事項・宿題・次回の議題」に分けてもらうと、実務での便利さを感じやすくなります。
-
プランモードで下見する
何か変更を頼む前に Shift+Tab。計画を出させて、実行の有無を選ぶ感覚をつかみます。
-
CLAUDE.md にルールを1つ追加
「日付は YYYY-MM-DD で書く」など、守ってほしい小さなルールから。効果がすぐ実感できます。
-
公式情報とELITE教材で深める
細かい機能や高度な設定は、必要になったタイミングで公式ドキュメントやELITEプランの学習コンテンツを参照します。
ここからが本番です。Claude Code は、知識として覚えるよりも、実際の資料やファイルを扱う中で理解が進むツールです。ELITEプランの課題を進めながら、「相談するAI」から「実作業を任せるAI」へ使い方を広げていきましょう。読み進める中で分からないところがあれば、フィードバック会で一緒に確認しましょう。
公式リンク集 references
さらに学びたい方へ。すべて公式・1次情報なので、情報の鮮度が高いです。
Claude Code / Anthropic
- Claude Code 公式ドキュメント(Overview)
- Claude Code Best Practices(Anthropic 公式ベストプラクティス)
- Advanced setup(インストールとオプション)
- Commands reference(全スラッシュコマンド)
- Permission modes
- Memory(CLAUDE.md と Auto Memory)
- Skills
- Sub-agents
- Checkpointing / rewind
- MCP integration
- Manage extra usage for paid Claude plans
- Anthropic 料金プラン
ターミナル / 環境構築
- Mac 用ターミナル使い方ガイド(Apple 公式)
- Windows Terminal(Microsoft 公式・日本語)
- Claude Code terminal configuration
- WSL のインストール(Microsoft 公式・日本語)
- Homebrew(日本語)(Mac で追加ツールを入れたい場合)
- Node.js(日本語)
このスターターキットは Claude Code の公式ドキュメント(2026年4月時点)に基づいて作成されています。Claude Code は継続的にアップデートされているので、機能名や挙動が変わった場合は上のリンクから最新情報をご確認ください。